彦根藩二代目藩主・井伊直孝建立の寺院に残る、彦根城旧外堀を活かした枯山水庭園。快慶作の仏像は国指定重要文化財。
圓常寺庭園について
「智照山 通眞院 圓常寺」(えんじょうじ)は国宝・特別史跡『彦根城』を完成させた彦根藩二代目藩主・井伊直孝により創建された寺院。御本尊の阿弥陀如来像は鎌倉時代の名仏師・快慶の作品で、国指定重要文化財。
『井伊家ゆかりの社寺めぐり』のチラシを眺めていたら、この円常寺の案内に“庭園”の文字があり…2020年11月に初拝観!
江戸時代初期の1612年(慶長17年)、井伊直孝が母・養賢院を菩提を祀るために自らを開基として建立。現在の本堂は1747年(寛保3年)の火災の後、豊郷町から移築されたと伝わるもので、その当時から数えても築270年は経過している。
境内には閻魔大王を祀る閻魔堂があり、これは彦根藩家老・木俣守勝の寄進によるものと伝わります。木俣守勝の名前を記すのは京都の隠れた紅葉の名所『栄摂院庭園』(くろ谷 金戒光明寺の塔頭寺院)に次いで二度目。
現在は彦根城外堀西側の住宅街の中にある寺院ですが、当時は彦根城の内堀と外堀の間という立地で境内のすぐ裏が外堀だったそう。昭和初期にその外堀が埋め立てられ「昭和新道」になったのと同時期に圓常寺庭園は現在の姿に改築(作庭)されました。書院から見下ろし、そして奥側が斜面で高くなっているのは当時の土塁の名残とも。
作庭者に関する詳細は不明だそうですが、当時のご住職は京都の浄土宗大本山『百万遍 知恩寺』と縁深く、その縁で京都の庭師が手掛けた…という話を聞いたはずなのですがメモを誤って消してたので別の場所の話と混ざってるかも…。枯池中央には手前に坐禅石らしきもの・奥には立石の姿が。
その他、東証一部上場の電子機器メーカー『アンリツ』の起源のひとつ「安中電機」の創業者・安中常次郎ゆかりの寺院でもあり、石碑(顕彰碑)が立ちます。
(2020年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR琵琶湖線 彦根駅より約2km(徒歩約25分/駅付近にレンタサイクルあり)
彦根駅より路線バス「栄町一丁目」「栄町二丁目」バス停下車 徒歩2分
〒522-0068 滋賀県彦根市城町2丁目4-62 MAP