国宝・国重要文化財の建造物を多くほこる名刹の、平安時代末期に造られた浄土式庭園。国指定名勝。
円成寺庭園について
「圓成寺」(えんじょうじ)は奈良の市街地から約11km程、柳生街道沿いにある寺院で創建は奈良~平安時代とされている古刹。その庭園は国指定名勝、建造物は国宝や国指定重要文化財となっています。
門を入るとすぐに浄土式庭園の苑池が見えます。平安時代末期の作庭とされ、公式サイトには<奥州平泉の毛越寺庭園とともに貴重な遺構>――とありますが、毛越寺やこれまで見てきた浄土式庭園ともまた違う印象を受ける。見上げるような高い場所にある楼門の印象によるものだろうか。
明治時代の廃仏毀釈以降には池泉と楼門の間に県道が通っていた時期もあったそうで、現在の姿は昭和年代に一部復元されたもの。この通路を車が行き来していたなんてちょっと想像できない…。
今回訪れたのは9月中旬だったけど、もう色づいている樹木もあり――秋の紅葉の写真はもちろん、初夏の緑の風景も良い感じなのでどの季節もきれいな景色が楽しめそう。
また圓成寺は建造物の多くが国宝や国の重要文化財となっており、冒頭の写真で庭園の借景となっている楼門や、本堂(阿弥陀堂)が室町時代の建造物で国重要文化財。8枚目写真で本堂の脇に少しだけ見えている「春日堂・白山堂」(鎌倉時代の建造物)が日本最古の春日造の社殿として国宝、また運慶の作と伝わる「大日如来像」も国宝に指定されています。
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奈良の市街地にほど近い世界遺産の「春日大社」から春日山の山中を抜けて圓成寺へと向かうルートが、古くから「春日奥山道」(滝坂の道)として僧の修行に用いられていて、現在も古くからの石仏の遺構が数多く残っているのだとか。ちょっといつか歩いてみたい。
また同じく平安時代末期に造られた浄土式庭園があり国宝・世界遺産の寺院である京都の「浄瑠璃寺」からも山道の最短距離で約7km強(車では通れない道も。そんな道も歴史ある道なのかも)。その最短ルートは採用しなかったけど今回は奈良⇒浄瑠璃寺⇒圓成寺を自転車で移動することを試みました――。が、浄瑠璃寺から圓成寺まで標高にして300m近くを登ることになるとは――笑。
本当に途中後悔した――だけに、閉門時間ギリギリで円成寺庭園を見れたのは心から救われた(笑)あのしんどかった体験はいずれブログのエントリとして書き残したい…!
(2018年9月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)