鎌倉時代に既に存在していた“浮殿”に平成年代に作庭された回遊式庭園。マリメッコ柄麒麟像の奉納も!
太宰府天満宮 浮殿庭園について
「太宰府天満宮」(だざいふてんまんぐう)は平安時代の学者/政治家である“学問の神様”菅原道真をまつった神社・天満宮の総本社の一つ。京都・北野天満宮や山口『防府天満宮』とともに日本三大天神としても並び称されます。年間約1,000万人が訪れる、九州を代表する観光名所。
国指定重要文化財になっている本殿や志賀社本殿、そしてそこへ至る『心字池』についてはこちら。
古くは鎌倉時代の境内図にも記されていたという太宰府天満宮の“浮殿”(うきどの)。平安時代の1101年からはじまった太宰府天満宮の秋の神幸祭では御旅所・行宮になっていて、御神輿は本殿に戻る前にここで一休みして竹の曲の一座が「御供上げ」の曲が披露されます。
戦前までは心字池あたりにあり、水面にその影が映る姿から“浮殿”と名付けられたそう。九州国立博物館がオープンした2005年にリニューアルされ、水面が薄く引かれた現在の現代日本庭園も作庭されました。
太宰府天満宮は菅原道真が文化人であったことを背景として、境内地を通ってキューハクへ至るなどアートとの関わりがとても密接。
2013年に開催された『フィンランドテキスタイルアート 季節が織りなす光と影』で初めて太宰府を訪れたのですが、この時にはマリメッコのテキスタイルデザインが太宰府の境内を彩っていた。
そしてこの浮殿の中にはマリメッコを代表するテキスタイル“Unikko”柄の麒麟像が。
太宰府天満宮には福岡県指定文化財となっている銅製の麒麟像があります。これは江戸時代に博多の商人によって寄贈されたものとされますが、元は2体あったのが1体は太平洋戦争の際に供出されてしまったそう。その1体を補完する――という意味合いを込めて奉納されたのがこの作品。なお、太宰府天満宮のキリンが某ビールメーカーのロゴのモチーフになったという説も。
太宰府天満宮ではアーティストが滞在して作品を制作する「太宰府天満宮アートプログラム」も展開。現代アートとの取り組みにも注目しながらまた訪れたい!
(2013年1月、2020年2月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)