大通寺含山軒及び蘭亭庭園

Daitsu-ji Temple Garden, Nagahama, Shiga

長浜の中心寺院に残る、円山応挙や狩野山楽/山雪の絵画と共に鑑賞する江戸初期の枯山水庭園。国指定名勝。

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大通寺含山軒及び蘭亭庭園について

【冬季は週末のみ拝観】
「大通寺」(だいつうじ)は“長浜御坊”とも呼ばれる、京都・東本願寺を本山とする真宗大谷派の長浜別院。江戸時代初期に建立された本堂・大広間などが国指定重要文化財、“含山軒”“蘭亭”の前の庭園が国指定名勝となっている、長浜を代表する寺院。
2020年11月に久々に訪れたのでその際の写真を更新しました。

桃山時代の終わり、当時は廃城になっていた長浜城の城跡に開かれた本願寺信徒の道場が前身。江戸時代に入り「無礙智山(むげちざん)大通寺」となり、彦根藩主・井伊直孝からの支援のもと寺域を拡大。東本願寺から伏見桃山城の遺構と伝えられる本堂や広間を譲り受け、大寺院としての構えになりました。
玄関、本堂・阿弥陀堂、大広間、蘭亭・含山軒が国重文。その他、旧長浜城の遺構と伝えられる安土桃山時代の脇門や、江戸時代後期に建立された大きな山門が長浜市指定文化財。

国重文の含山軒・蘭亭から眺め見る庭園が「大通寺含山軒および蘭亭庭園」の名で、ニコイチで国の名勝となっています。いずれも建物と同様に江戸時代の作庭。
含山軒庭園は“近江富士”伊吹山を借景に取り入れた江戸時代初期の枯山水庭園で、伊吹山から滝が注がれるかのように枯滝石組があります。今回は紅葉越しの伊吹山だったけど、伊吹山が白く染まった冬の風景もきっと美しいはず。なお含山軒には狩野山楽・狩野山雪により山水画が描かれています。

同じく国指定名勝となっている「蘭亭庭園」。庭園は“含山軒庭園と同時代の作庭”と考えられている(=江戸初期)そうだけど、建物は江戸時代中期、1755年(宝暦5年)の建造物。当時を代表する画家・円山応挙の障壁画『蘭亭曲水宴図』がその名の由来で、庭園は坪庭ほどのスペースに小さな枯池と築山・石橋・豪快な枯滝石組が見られる庭園。

その他、「旧学問所庭園」というのが長浜市指定名勝になっているのですが…パンフレットや別の「境内配置図」にはその姿が描かれていない。
山門前のボードの《枯山水で三つの築山とひょうたん形の枯池を中心に組まれており、前二者よりはるかに広く用石の種類も多い。》の説明を読むと、含山軒庭園の左手に見える飛び石や枯池がそれかな。

大通寺の境内裏にある『大通寺公園』も、元々は大通寺の「御裏庭園」と呼ばれた、池泉回遊式庭園が一部改修され公園として公開されています。あわせてチェック。

(2011年3月、2016年3月、2020年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR北陸本線 長浜駅より徒歩10分

〒526-0059 滋賀県長浜市元浜町32-9 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は2,000以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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