大覚寺大沢池附名古曽滝跡Daikaku-ji Temple's Osawa-no-ike Pond, Kyoto

平安時代初期に嵯峨天皇の離宮・嵯峨院に作庭された嵯峨御流の“日本最古の庭池”と滝の遺構。国指定名勝。

庭園ギャラリーGarden Photo Gallery

大覚寺大沢池・名古曽滝跡について

「大覚寺大沢池附名古曽滝跡」(だいかくじおおさわいけ・なこそのたきあと)は平安時代初期の天皇・嵯峨天皇の離宮に作庭されたと伝わる庭園の遺構で、“日本最古の庭池”の一つ。2019年夏に5年ぶりに訪れました!ちょうど多くの蓮が花を咲かせていて見頃だった。

大沢池含め現在の大覚寺の境内は平安時代のはじめに嵯峨天皇が離宮『嵯峨院』を造営した場所。嵯峨上皇の没後の876年に『大覚寺』として創建。それ以来は皇室ゆかりの門跡寺院となり、鎌倉時代には後宇多天皇が出家し大覚寺にて法皇として院政を行ったため「嵯峨御所」と呼ばれたそう(現在も旧嵯峨御所という名称)。当時後宇多法皇に整備された伽藍はその後の火災などで残っていませんが、江戸時代に後水尾天皇より下賜された宸殿など天皇家ゆかりの建造物も幾つか残ります。
宸殿前の石庭や中庭、池泉庭園など見ごたえあるものが多い…と思ってたら写真が全然選べなかったのでそちらは別エントリ『大覚寺(旧嵯峨御所)庭園』にて!

大覚寺の境内の東側に位置する「大沢池」は周囲の長さが1km以上に及ぶ人工の池で、嵯峨天皇が造営した離宮・嵯峨院の苑池の一部とされています。中国の洞庭湖を模して作庭されたことから“庭湖”とも呼ばれたそう。
また大沢池の北部分に残る滝組「名古曽滝跡」も当時の庭園の遺構で、かつては大沢池へ水が流れ込んでいたそう。パンフレットによると、平安時代の書物『今昔物語』では当時の貴族・百済河成の作庭と伝えられています。現在の姿は平成年代の奈良文化財研究所による発掘調査を元に復元されたもの。

園池の北東部分には“天神島”、“菊ヶ島”、“庭湖石”という中の島と石組が浮かびます。この二島一石の組合せが「華道嵯峨御流」(嵯峨御流いけばな)の基本型に通じている――そうなのですが、庭園における“嵯峨流”とはそういうことだったのか。なおこれまで庭園で嵯峨流の言葉を見たのは個人的には他には静岡の『太田道灌築造嵯峨流名園』のみです。なお庭湖石を配したのは当時の貴族・巨勢金岡によるものとも。

また現在も船着場が残りますが、その広大な池を舟遊で楽しむ池泉舟遊式庭園であり、嵯峨天皇が大沢池に船を浮かべ文化人・貴族と始めたという『観月の夕べ』は現代においても例年9月の中秋の名月の頃に開催されています(江戸時代には松尾芭蕉も訪れたとか)。『観月の夕べ』の2019年の日程は9月13日〜15日。今回の蓮の季節もきれいだったけど(暑い中歩くには広過ぎだけど…笑)、いつか『観月の夕べ』にも訪れてみたい!

(2014年7月、2019年8月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR山陰本線 嵯峨嵐山駅より徒歩約15分
嵐電嵐山線 嵐山駅より徒歩20分
阪急嵐山線 嵐山駅より徒歩30分
最寄バス停は「大覚寺」バス停下車すぐ

〒616-8411 京都府京都市右京区嵯峨大沢町4 MAP

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