知覧平和公園“乙女の祈りの庭”

知覧平和公園／知覧特攻平和会館“乙女の祈りの庭”について

「知覧平和公園」（ちらんへいわこうねん）は第二次世界大戦／太平洋戦争中に旧陸軍の飛行場“知覧特攻基地”が置かれた跡地に開かれた都市公園。
戦死した隊員を偲び、戦争や作戦の悲劇・悲惨さを後世に伝えるための資料館『知覧特攻平和会館』を中心として各運動施設が整備されており、公園入口には枯山水庭園『乙女の祈りの庭』があります。

国の重要伝統的建造物群保存地区の町並み＆国指定文化財の庭園が点在する『知覧武家屋敷庭園』からは約2km。知覧のもう一つの代表的観光スポットはこちら。
庭園目的で知覧を知ると「知覧にそのような基地があった」ことも知らなかったのだけど、実は観光客数ではこの公園の方が多いとか…。バスから見えたこの枯山水庭園を目的にこれまで二度訪れました。

太平洋戦争末期、この知覧で編成されたのは、航空機ごと敵の艦隊に体当たりする「特攻作戦」の部隊。
戦後、基地が消失した跡地に有志により愚かな作戦で犠牲となった多くの隊員を慰霊する観音堂／観音像が建立。最寄りのバス停は「特攻観音」という名前になってます。

隊員の遺品や資料の展示を通じて歴史を正しく伝え、世界の平和を祈願するために1987年（昭和62年）に建設されたのが『知覧特攻平和会館』。
それと前後して園内に植えられた100本超の桜によってこの公園は南九州の桜の名所としても知られます。公園脇の道路にズラッと並ぶ石灯籠も圧巻。また公園内には建造物として国登録有形文化財となった「旧陸軍知覧飛行場着陸訓練施設鎮碇」も。

その前庭として作庭された枯山水庭園が『乙女の祈りの庭』。武家屋敷の庭園群とは異なる新しい現代の庭園だけれど、やはり“庭園の街”のDNAが残されているのかクオリティは非常に高い！

白砂の“宝石の海”を中心として、サツキの刈込みや奇石を見せることを好む作風や庭園正面に見える借景が“知覧らしさ”を感じながら、武家屋敷庭園よりも大規模な…知覧で一番大きな日本庭園。庭園目的で知覧を訪れた方はこの庭園もチェックしてみて。

（2017年12月、2022年1月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。）