大正時代に県庁舎として造られた国指定重要文化財の洋風建築と、その前庭として整備された回遊式の日本庭園。
文翔館・県政史緑地について
「文翔館」(ぶんしょうかん)は大正時代に建てられたかつての山形県庁舎を活用した公共文化施設で、横に並ぶ2棟の洋風建築が「山形県旧県庁舎及び県会議事堂」として国指定重要文化財となっています。前庭「県政史緑地」には回遊式の日本庭園や、県会議事堂前には洋風の庭園も。2019年4月に再訪したのでその時の写真を追加。
1916年(大正5年)に建造されたイギリス・ルネッサンス様式の重厚な石造り・レンガ造りの建築はジョサイア・コンドルの弟子である田原新之助による設計で、設計顧問は米沢藩出身の中條精一郎がつとめました。中條精一郎は出身地・米沢に元藩主の邸宅で国登録有形文化財となっている『上杉伯爵邸』を手掛けているほか、熱海の岩崎家別邸(現『熱海陽和洞』。非公開。)では七代目小川治兵衛(植治)と共に仕事をしています。
昭和後期に山形県庁が新たな建物に移転したのち、旧県庁舎の保存修復工事が実施されました。その期間は約10年!それにあわせて建物周辺も緑地公園としての整備を開始され、現在見られる和風庭園などが作庭されました。たしかに昭和中期の写真を見ると別のもっと洋風の庭園がある。そして1995年(平成7年)に「山形県郷土館(文翔館)」としてオープン。
庭園は秋にはモミジや楓などの紅葉が楽しめ、春にはしだれ桜も。日本庭園×洋館が収められる良い角度ないかな~。また旧県庁舎の中庭もレンガに囲まれたヨーロッパのような雰囲気を感じられる空間になっています(ここでは載せてないので公式サイト参照)。
山形の中心商店街・七日町通りのつきあたりにあるこの洋風建築は今なお山形市のランドマーク的存在で多くの市民にとっての憩いの空間。その一方ドラマや映画のロケ地としても使われているため、聖地巡りと思われる方の姿もちらほら。
文翔館を含め山形市の中心部は近代の洋風建築や看板建築が多く残っているので、建築探訪が好きだと楽しい街!
(2015年6月、2018年11月、2019年4月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR山形新幹線 山形駅より徒歩約25分強 ※春〜10月まで観光案内所にレンタサイクルあり
山形駅より路線バス「市役所前」バス停下車すぐ
〒990-0047 山形県山形市旅篭町3丁目4-51 MAP