
小袋成彬が選んだお庭…埼玉県庁から程近くの都市公園の昭和レトロ建築から眺める庭園。詩人・立原道造の“ヒアシンスハウス”(風信子荘)も人気。
ヘリテイジ浦和・別所沼会館庭園について
「別所沼会館」(べっしょぬまかいかん)は埼玉県さいたま市の都市公園『別所沼公園』内にある保養施設。宿泊施設や会議室、ガーデンレストラン等(ランチやビアガーデン)で利用できるほか、会館の前には池泉回遊式の和風庭園が広がります。
宇多田ヒカルのプロデュースや競作で知られるミュージシャン・小袋成彬さん。2025年、さいたま市長選に立候補し話題となりましたが、その出馬会見の場として選ばれたのが「別所沼会館中庭」。さいたま市にそんなお庭あったのか…!?足を運んでみました。
埼玉県庁から徒歩10分強と程近くに位置する『別所沼公園』。「別所沼」は江戸時代から中山道・浦和宿の名所の一つとして知られたそう。
大正時代の終わり、これまで“湿地として使い物にならなかった”この一帯を取得したのが東京の小島長治郎という人物。以来この地を『昭和園』と名付けられた遊覧地として整備され、1927年(昭和2年)に現在も池の中央に残る『別所沼弁財天』が建立されます(現在の建築は昭和半ばの再建)。
旧・浦和市や埼玉県の都市公園となるのは戦後の1951年(昭和26年)ですが、『昭和園』の開園から数えて2027年には開園100周年を迎え、現代においても旧・浦和市の中心部の広大な都市公園として地域の方に親しまれています。
その公園北側に位置のが「別所沼会館」。1981年(昭和56年)に建立されたこの建物は、煉瓦造り風の外観と広く明るいロビー/エントランスが目を惹く昭和のレトロ建築(特にロビーはF・L・ライト『自由学園明日館』のような雰囲気。その系統の建築家さん?)。
そのロビーから別所沼の自然を背景とした庭園が広がります。手前にはガーデンパーティーのできる芝生が広がり、その奥に別所沼から引かれた池泉〜流れが続く池泉回遊式庭園。池の周りにはサツキの刈り込みやソテツ、藤棚、マツなどが植栽。こちらも昭和の時代の当時のモダンな和風庭園といった趣き。建築が立派なので、昭和の時代に名の知れた人がお庭にも関わっていたんじゃないかな…?
公園内で今日人気を集める建築が「ヒアシンスハウス」(風信子荘)。4.5畳の茶室の様なサイズの住居、設計したのは24歳の若さで亡くなった近代の詩人・立原道造。大学時代には東京帝大の建築学科で学び、辰野金吾から名を取った「辰野賞」も受賞。そんな立原が別所沼の湖畔に建てようと試案し構想していたのがこのヒアシンスハウスで、生前の設計を元に2004年にこの公園内に竣工しました。邸宅周りにはヒヤシンス…ではないけれど、見頃のバラを含めた花々の花壇も。花の雰囲気も併せて楽しんで。
(2025年5月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR武蔵野線 中浦和駅より徒歩10分
JR京浜東北線 浦和駅より徒歩20分強
JR浦和駅より路線バス「別所沼公園」「鯛ヶ窪橋」バス停下車 徒歩5分
〒336-0021 埼玉県さいたま市南区別所4丁目14-10 MAP
投稿者プロフィール
