“哲学の道”の途中、茅葺きの山門が映える紅葉とサツキの名所。国登録有形文化財の書院には枯山水庭園も。
安楽寺庭園について
【通常非公開/春・秋に特別拝観あり】
「住蓮山 安楽寺」(あんらくじ)は浄土宗の祖・法然上人の弟子の住蓮上人と安楽上人が鎌倉時代のはじめに結んだ“鹿ヶ谷草庵”をルーツとする寺院。常時公開ではありませんが、春のサクラ・ツツジ・サツキが見頃な時期や秋の紅葉の見頃に期間限定で公開されます。
“鹿ヶ谷草庵”は現在地の東へ1kmほどの場所(=山の中)にありました。当時の後鳥羽上皇の女御・松虫と鈴虫(※『鈴虫寺』のいわゆるスズムシとは別)が住蓮と安楽に感化され、こっそりと出家。それを知った上皇は激怒し、住蓮と安楽は処刑されてしまいました。その責任で流罪になったのが法然と親鸞。
両名の菩提を弔うための寺院が現在地の創建されたのは室町時代の天文年間(1532年~1555年)。住蓮・安楽のほか松虫と鈴虫の供養塔も残ります。
江戸時代後期に移築された本堂、江戸時代末期に建立された書院、そして1892年(明治25年)に建立された茅葺きの山門(キービジュアルとして見ることが多いのはこちら。)の3棟が国登録有形文化財。
特別拝観時には本堂・書院が公開され、書院では斜面一面にサツキツツジの刈込を配した枯山水庭園を眺めることができます。自分ちにある京都のガイド本には安楽寺の庭園は江戸時代初期の作庭と書いてあるんだけど、建物の建立が江戸時代後期ならその頃のものなのかなと思わないでもない。
この庭園だけでなく前庭にもサツキが多く植わっていて。紅葉期のみならずサツキが見頃の時期には毎日公開されるように、このお寺の見所の一つ。書院庭園だけでなく境内全体の花木が楽しめるお寺さんです。またその時期にも!
(2020年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)