伊吹山や遠く比叡山も眺められる、夢窓疎石作庭と伝わる山水廻遊式鶴亀庭園。足利尊氏ゆかりの寺院。
安楽寺庭園について
【要事前電話連絡】
「安楽寺」(あんらくじ)は鎌倉時代に創建された寺院で、それ以前は奈良時代より藤原不比等の荘園だった場所。また南北朝時代に室町幕府初代将軍・足利尊氏がこちらに立ち寄り、それ以後の進軍を助けた縁から、境内に「足利尊氏の爪墓」が残されています(爪だけのお墓って初めて聞いた)。
その後戦国時代に織田・徳川連合軍と浅井・朝倉連合軍の「姉川の合戦」で焼失したものの、江戸時代に入り彦根藩・井伊直孝が龍潭寺から和尚を招き再興したそう。宝物として井伊直弼御詠掛軸のほか、白隠禅師達磨画像なども。
その池泉鑑賞式庭園は京都・天龍寺庭園や西芳寺(苔寺)庭園を手掛けた夢窓疎石(夢窓国師)とされます――が、作風から江戸時代初期の作庭とする説も幾つか見かけており…鎌倉・室町期に夢窓疎石が手掛けた庭園が姉川の戦いで荒廃し、その遺構を元に井伊家の時代に整えられたのが現在の庭園…という感じなのかな(当サイトは「ゆるく楽しむ」がモットーなのではっきり言って妄想です!)。でもツツジがもこもこと植えられている感じは等持院や恵林寺の庭園を連想できなくもない。
その琵琶湖を模っている池泉による山水廻遊式鶴亀庭園で、左手側にはうっすらと伊吹山の姿が、そして右手側には琵琶湖の西側の比良・比叡山の山並みも眺められる非常に視界の開けた場所にある庭園。
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一度法事で拝観できなかったことがあるので、事前電話予約推奨(この日も法事とイベントの合間に拝観させていただきました)。色々庭園を見て回っているという話をしたら、近辺の庭園に関する本を色々見せていただいたので楽しかったです(笑)
参道の背の高い松並木も雰囲気があってとても良いのですが、「手入れしてるのが皆80歳過ぎなんです」というお話をされておられました。感謝とともに、考えさせられるものがあった…というおまけのお話。
(2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR北陸本線 長浜駅より約3.5km(駅前にレンタサイクルあり)
米原駅・長浜市内・木之本駅より路線バス木之本米原線「曽根口」バス停下車 徒歩5分
〒526-0105 滋賀県長浜市細江町105 MAP