“忠臣蔵”ゆかりの街の城郭に残る、城主・浅野氏、森氏が御殿から眺めた池泉鑑賞式庭園。国指定名勝。
旧赤穂城本丸庭園について
「赤穂城」(あこうじょう)は“忠臣蔵”で有名な赤穂浪士の町・播州赤穂に残る江戸時代初期に造られた城郭。その大名庭園“本丸庭園・二之丸庭園”は国指定名勝。また「赤穂城跡」として国指定史跡、日本100名城および日本の歴史公園100選に選ばれています。
江戸時代初期の1645年、常陸国・笠間から新たに城主となった浅野長直が家臣・近藤正純に設計を命じ、一部は軍学者・山鹿素行に手が加えられながら10幾年の時間をかけて築城された赤穂城。当時は瀬戸内海に面し、舟での入城もできる海城だったそう。
「旧赤穂城本丸庭園」は赤穂城と同時に浅野氏の指示により造られた庭園で、有名な江戸城内での刀傷事件により浅野家が断絶した後に赤穂城主となった森氏によって江戸時代後期に一部改修されました。本丸御殿から眺めるゆるやかな築山の池泉鑑賞式庭園。
現代においては天守台からは工場などの風景も見えますが、作庭当時は瀬戸内海の景色が楽しめたそう(山をのぞむ借景も良い)。色んな大名庭園を観てきましたが、“城郭の本丸”にこうした池泉庭園があるのは実はあまり見ない気がするし、二之丸庭園含め城内に2つも大きな池泉式庭園を持っているのも珍しい気がして。当時の赤穂城には海城という立地を活かした“庭園文化”という気概があったのかな…。
本丸の門を出たところからすぐにある『二之丸庭園』は2016年から一般公開されていますが、現在も一部整備が続けられています(2つ併せての国指定名勝ですが、別の庭園なので別エントリにて)。また赤穂城内では忠臣蔵の中心人物・大石良雄の旧宅跡(『大石神社』)でも庭園が見られます。
(2017年1月、2018年8月、2019年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)
アクセス・住所 / Locations
JR赤穂線 播州赤穂駅より徒歩20分(駅の観光案内所及び駅前にレンタサイクルあり)
播州赤穂駅より路線バス「大石神社前」バス停下車 徒歩9分
〒678-0235 赤穂市上仮屋1424-1 MAP