ホテル椿山荘庭園

Hotel Chinzanso Garden, Bunkyo-ku, Tokyo

元帥・山県有朋が明治時代に造った高低差のある回遊式庭園。京都『無鄰菴』と並び山縣三名園の一つ。

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

ホテル椿山荘庭園について

「椿山荘庭園」(ちんざんそうていえん)は総理大臣も務めた元帥・山縣有朋が明治時代にこの地に造った屋敷「椿山荘」の庭園で、目白台・関口台の丘陵の地形を活かした高低差のある池泉回遊式庭園。宿泊や飲食店の利用でなくても散策ができ、夜も21時頃までライトアップされた庭園を鑑賞することが可能です。(なので通り掛かったら何度も立ち寄っている)

京都の『無鄰菴庭園』や小田原の『古稀庵庭園』と並び「山縣三名園」の一つと言われる庭園で、その他の庭と同様に庭園の監修は山県有朋自身が行ったそう。作庭は当時の東京を代表する庭師・岩本勝五郎によるもの。

造園史家・鈴木誠先生、粟野隆先生による『山縣有朋の庭園観と椿山荘』によると、かつては隣接する『関口芭蕉庵』に湧いている湧水(現在は東京の名湧水57選にも選ばれています)から水源を引いていたそう。またその当時の関口芭蕉庵は明治時代の有名政治家のひとり・田中光顕伯爵の邸宅『蕉雨園』の一部。田中光顕の別邸『古谿荘』の庭園が山縣の『無隣庵』の影響を感じさせることからも山縣有朋・田中光顕両者の交流が想像できます。

大正時代に山縣と同じ長州出身の藤田財閥2代目・藤田平太郎の手に渡り、現在高台に建つ国登録有形文化財の三重塔は大正時代に広島県の「竹林寺」より移築されたもの。そのほか茶室「残月」も国の登録有形文化財。
※ちなみに藤田観光ゆかりの大規模庭園としては大阪の『太閤園』も近代に造られた池泉回遊式庭園。

現在は敷地内に藤田観光のホテル「ホテル椿山荘東京」を中心とし、お茶処「残月」、そば処「無茶庵」、そして茅葺屋根の「長松亭」や「木春堂」といった近代和風建築を移築・活用している料理店が点在。
神田川側の出口から出ると付近には「関口芭蕉庵」、肥後熊本藩主・細川家ゆかりの「肥後細川庭園」、早稲田大学構内の「大隈庭園」、そして「甘泉園公園」…と日本庭園が多くあり、また最寄り駅の江戸川橋駅付近には大正時代の洋館『鳩山会館』など、庭園巡りにはオススメの散歩コース!

(直近では2019年4月・6月に訪問。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

東京メトロ有楽町線 護国寺駅、江戸川橋駅より徒歩10分強
JR山手線 目白駅より路線バス「ホテル椿山荘前」バス停下車すぐ

〒112-8680 東京都文京区関口2丁目10-8 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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