物外軒庭園

Butsugaiken Garden, Ashikaga, Tochigi

足利市の3つの国登録文化財庭園のうち最も街の中心部近く。秋には紅葉の名所になる池泉回遊式の茶庭・茶室。【期間限定公開】

庭園フォトギャラリーGarden Photo Gallery

物外軒庭園・茶室について

【期間限定公開】
「物外軒庭園」(ぶつがいけんていえん)は足利市に3つある国登録記念物(名勝地)の庭園のうち1つ。例年4月・5月、10月・11月の土日祝日のみ公開されています。
これまで2回とも11月に訪れていますが、11月後半に訪れた2度目の訪問では庭園内のモミジが紅く染まりきっていて――秋に公開期間が設けられていることに納得!春には新緑のモミジがまた美しい。

「物外軒」は足利で江戸時代から昭和初期にかけて廻船問屋として財を成した豪商・長四郎三(ちょう・しろぞう。声に出して読みたい)の渡良瀬川沿いの邸宅に造られた茶室。
表千家流の茶室は“国内を代表する古筆鑑定家・古筆了仲の指導を受けた”――とされていますが、古筆了仲自身は江戸時代中期の人物なので写しとなる茶室があるということかな。また茶室の内露地にあるつくばいは、太田道灌の建てた江戸城・富士見亭の礎石を用いたものとも伝えられています。

その後所有者が移り、現在地に移築されたのが明治時代後期。現在の池泉式庭園はその時代に造られたものとされ、茶室から鑑賞することを想定して造られたものにも思えるけど、実際は回遊できる程広いので回遊式としています。一方で飛び石の特徴はあくまで茶庭という風情。

冒頭に書いた足利市に3つある国登録名勝の庭園で、足利市の中心部から最も近いのはこの庭園――なのでこの庭園が「足利の庭園」を鑑賞する時の基準になる――と思いきや、実際に足利の庭園を巡っていると結構全部タイプが違う。
一方でまだまだ見ていない(公開されていない)庭園が足利にはあるようです。秋の「足利文化財一斉公開」にもぜひ足を運んでみて!

(2017年11月、2018年11月訪問。以下の情報は訪問時の情報です。最新の情報は各種公式サイトをご確認ください。)

アクセス・住所 / Locations

JR両毛線 足利駅より徒歩約20分
東武伊勢崎線 足利市駅より徒歩約20分
足利駅または足利市駅より路線バス「通六丁目」バス停下車 徒歩2分
※JR足利くの観光案内施設にてレンタサイクルあり

〒326-0814 栃木県足利市通6丁目3165番地 MAP

投稿者プロフィール

イトウマサトシ
イトウマサトシ
Instagram約9万フォロワーの日本庭園メディア『おにわさん』中の人。これまで足を運んで紹介した庭園の数は1,900以上。執筆・お仕事のご依頼も受け付けています!ご連絡はSNSのDMよりお願いいたします。
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